世の中にたえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし 在原業平 / 古今和歌集 桜をめぐる喧騒はこの和歌が全てを物語っていると思う。 梅が大陸由来で貴族などが愛でていたのに対し、桜は寒冷地適応したインド(ヒマラヤ)桜が古い時代にアジア寒冷地まで広がって おそらく日本でも野山で普通に見られていたものだったろう。 菅原道真と梅のエピソードは有名だが、道真の屋敷には当時は貴重だった梅がたくさん植えられていたらしい。 梅は地位と富の象徴だった、、、 菅原道真の悲劇も結構ナマグサイ側面が見えてくる。 豊臣秀吉の醍醐の花見の頃には「花」と言えば「桜」だったようだ。 この時の枝垂れ桜の子孫が挿し木などを経て残っている。(醍醐寺三宝院) 現在はその若木(クローン)が各地に移植されている。(住友林業) 挿し木を重ねて行くと細胞更新の回数券のようなもの(テロメア)が短くなって、やがて絶える。 今のところ挿し木で増やすしかないソメイヨシノは、寿命はその他の桜より短いので「大絶滅」も近いと言われる。 醍醐の桜のクローンについては、最先端のバイオ技術により古木のDNAを取り出し培養するので 理論的にはテロメアの影響は無い(あるいは、ほぼ無い)と言われるが、何しろ100年、1000年単位の事なので 科学の発達を考慮しても結果が出るのはだいぶ先の事。 それよりも、クローンはオリジナルか?と思うので 桜をめぐる喧騒も一歩引いてナナメに見ているナ・・・
by rin_pr
| 2018-04-12 11:00
| 植物
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