社殿によれば、阿蘇神社に祀られている阿蘇氏の祖、健磐龍命(たけいわたつのみこと)が 祖父の神日本磐余彦尊(かむやまといわれひこのみこと=神武天皇)を祀ったのが起源と言われる。 相殿には神日本磐余彦尊の父、鸕鷀草葺不合尊(うがやふきあえずのみこと)と母、玉依姫命(たまよりひめのみこと)を祀っている。 参道 夕方だったので木漏れ日が美しかった 鏡は一点の曇りも無くよく光るのです 参道にはなぜかカラス・・・ 個人的には吉田神道或いは渡会神道などの仏教に影響を受けた教義神道と言われるものより古神道の方が面白いと感じている。 もっと言うならば、稲魂を奉じる弥生的アニミズムより古い縄文の痕跡を求めているのかも知れない。 そのような意味では諏訪地方は興味深いのだが、九州の古神道的世界観も捨てがたい。 ある年の暮に高千穂神社へ行ったら、神饌として猪が供えられていた。 ゴロンと丸々1頭・・・ 地元の人が新年を迎える準備をしながら「直会(なおらい)が楽しみ」と言っており、直会が生きている言葉であるのを実感した。 後に神社本庁の方と「神社は血穢れを忌避すると思うのだけれど・・・」と話をしたら 「基本的には血穢れは禁忌だけれど、神様に感謝しておもてなしをする行事である祭では地元の幸を奉納するのはある事」らしい。 例として諏訪大社の御頭祭を挙げていた。 確かに御頭祭は血生臭い。(現在は鹿については剥製を使うなどしている。) 諏訪は少々特異な場所としても、縄文の祀りを引き継ぐ古いアニミズム世界をもっと知りたいと思っている。 鸕鷀草葺不合尊の誕生譚で海辺に産屋を建てる風習など、どう考えても南方系だし その父の 火遠理命・彦火火出見尊(山幸彦)と 火照命・火闌降命(山幸彦)の話は世界各地に神話として存在する。 古事記や日本書紀の神代は案外普遍的な神話世界なので比較神話学として考えて行けば人類の移動や交流も見えてくるのかも知れない。 例えば神話類型の「ハイヌウェレ型神話」では食物起源神話として殺された神の死体から作物が生まれたとするもので 日本神話でもスサノオが殺してしまったオオゲツヒメから五穀が生じた話がある。 但し、この話は「五穀」であるため東南アジアやオセアニアから直接では無く「山海経」にあるように中国南方を経由したと考えられている。 神話と五穀を携えてきた人たちの姿がリアルに立ちあがってくるようだ。
by rin_pr
| 2018-02-07 10:00
| 信仰
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